瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

伊吹島の民話伝承地の整備と活用

伊吹島研究会 三好兼光

活動の目的

香川県の西端に位置する伊吹島には島の先人たちが伝えてきた昔話、伝説等(民話)がたくさん残っているが、過疎と高齢化により、民話を語る人も少なくなり、次の世代に語り継がれることが難しくなっている。雑草に覆われている民話伝承地を整備し、案内板を設置し、民話の冊子を作成し、島の若者、観光客に瀬戸内海の美しい景観と共に島の歴史、暮らしを知っていただく。

活動の経過

4月 活動計画のミーティング
8月までにお年寄りから民話を集める。民話伝承地の選定と整備計画策定。案内板の設置、冊子編集方法検討
5月 春の草刈 山頂部の整備
6月 案内板試作品製作
7月 夏の草刈
8月 民話聞き書きまとめ
9月 冊子印刷
10月 冊子発送(県内外の図書館)
11月 島外の方対象に民話の旅を実施する。秋の草刈
12月 案内板の設置
1月 冬の草刈
2月 活動のまとめ
3月 報告書作成

活動の成果

①民話伝承地の整備
年4回の草刈を実施
②「伊吹島の民話」の冊子発刊
島のお年寄りから聞いた民話50話をA4版の冊子にまとめ500部作成。島の小中学校の生徒、先生、公民館に配布。県内外の図書館に寄贈。四国新聞で冊子が紹介され冊子希望者が多く、300部増刷した。TV、ラジオでも民話が放送された。若い世代に民話が伝わっていくことを実感。
③案内板の設置
民話伝承地(8カ所)に民話と歴史のわかる案内板を設置した。瀬戸内海の美しい景観の中での島の暮らしもわかり、初めて伊吹島を訪れる人にも喜ばれた。
④「民話の島伊吹島ツアー」を実施
観音寺市観光協会とタイアップして11月に2回民話伝承地を巡るツアーを企画した。市内外から27名の参加者があった。
上記活動を実施し、伊吹島の民話が記録として残り、島の若い人たちに語り継がれていくことを確信した。観光客の受け容れ体制ができていない伊吹島において、今年度の活動は観光客に喜ばれ、受け容れ体制づくりの一歩前進となった。
伊吹島の魅力を高める活動を今後も継続していきたい。

活動の課題

民話伝承地の整備は毎年継続して行わないとまた、雑草に覆われる。会として継続して草刈等を実施していくが、島内の各種団体、行政にも働きかけ、島の美しい景観と伝承を次の世代に繋ぐ活動をする必要がある。島外の人を巻き込んだ企画も必要。