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瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ
活動の目的
近年、アートをきっかけとして世界中から注目を浴びつつも、急激な過疎高齢化が進む豊島において、島民が大切にしてきた豊かな島に活気を取り戻すために、「いきがい」と「やりがい」を持って人々が毎日楽しく笑顔で生きることができる「地域コミュニティー」を、島民自らが主体となって島内外多くの方々と、アートによる新しい流れを活かしつつ協働して再生していき、それらを継続的に維持していく仕組みづくりを目的としています。
活動の経過
計画をどのように具体的に実施していくかを関係者で協議した上で、以下の取り組みを主に実施しました。
豊島産果物を使用した手作りジャムやジェラートの生産販売を、豊島の食資源の活用・宣伝を目的として実施。
主に高齢者向けの買い物支援を目的として、活動拠点において、近隣商店と協働して生鮮食品や運搬に労力のいる日常利用する物の販売を実施。
新たな資源の発掘・保全・活用を目的として、活動拠点の集落を主な舞台としてガイドツアーを行い、集落の案内や島民との郷土料理の共同調理・交流などを実施。
豊島で生活する人や関わる人の交流を促すことを目的として、豊島産食材を活用した昼食の場を提供。
大学との連携で、集落の荒廃した休耕田の草刈りを景観回復や獣害対策を目的として実施。
複数大学との連携で2017年度を初年度とする4年間の共同研究を開始し、移住者のインタビューや地域の変化・資源・可能性などの基礎調査を実施。
地域活性化を主な目的に、豊島内外で開催される各種イベントに参加。
新たなツールを活用して、集落の魅力や活動の宣伝をより効果的に行うための実験を実施。
活動の成果
活動を通じて得られた主な成果は、場を創り出して機会を提供することにより、豊島での新たな資源や可能性を発見し、交流を促すことができたことです。
見知らぬ移住者や島外者、また普段は交わることのない世代との交流を促すことができた結果、島で生まれ育った高齢者の方々がそのような方々との交流を楽しまれ、将来への可能性を感じて「自分たちにもまだできることはあるのではないか?」と笑顔と元気を取り戻しつつあります。一方、次世代の方々が島のことをより理解する機会となり、新たな活動に繋がっています。
成果とあわせて活動での一番の喜びは、集落の方々に活動内容を心から喜んでいただいて、自然とご協力していただいたことです。とくに荒廃した休耕田の草刈りを行ったことで、集落の方が持っている長年放置されていた田畑が綺麗になった結果「ずっと気になっていたけれども自分ではどうすることもできなかったから、ありがとう、本当にありがとう」と喜んでもらえたことは、率直に「取り組んでよかった!」と思う瞬間でした。加えて、その経緯を踏まえて他の集落の方々にも応援の輪が広がり、自治会でバックアップしていただくことに繋がったことは、今後のさらなる活動の広がりを見いだすことになりました。
目立った資源の無い島の、どこにでもある資源を島民は日常として、島外者は非日常として、ともに大切に思っており、何か自分たちにできることはないかと考えて、多くの方々と創意工夫・協働することにより、魅力的な資源を発掘・保全・活用できる可能性があるということを、本活動を通じて強く実感できました。
今後はその可能性をより具体化していき、島で生活する方々はもちろんのこと、島を訪れる多くの方々に豊島を大切にしていただいて、継続的な交流を促していきます。
活動の課題
毎年度の課題でもあるのですが、活動をともに行う方々が年々減ってきており(2011年7名→2017年4名)、あわせて継続的に活動へ参加していただける新しい方々が増えず、現在主体となっている方々も高齢化が進んで設立当初に比べると活発な活動ができなくなっています。比較的若い世代も公私共に活動に時間を十分に割けないため、そのために計画通りに実施できなかったり、付随する諸業務が滞ってしまっていることです。
近隣商店との協働による生鮮食品販売の風景
集落の荒れた休耕田の草刈り後の風景
集落ガイドツアーでの郷土料理の共同調理風景