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瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ
活動の目的
小豆島は、神社と地域行事が密接に関わっているエリアで、太鼓祭りや農村歌舞伎等、地域コミュニティーの維持に神社の存在が不可欠であると考えられている。昨今、コロナ禍により軒並み行事が中止となり島民も神社を訪れる機会が減少している。
本プロジェクトでは、「夏詣」という新しい日本の風習を取り入れ、地域住民や観光客が神社に足を運ぶ機会を作り、神社と地域との繋がりを感じられる場を創出している。
小豆島における神社は、人生の節目に訪れる場所としての役割や、 住民はもとより島を離れた人にとっても拠り所として存在している。神社を地域コミュニティーを育む拠点として活動を行うことが地域住民の誇りやコロナ禍で薄れつつある連帯感を呼び戻すことに繋がると考えている。
With/Afterコロナの観点でコロナ前の繋がりを復活し、更に新しい層がプロジェクトに関わることで、古き良き風習の継承・継続を推進している。
活動の経過
●茅の輪づくり
元々地域にある茅の葉を材料として茅の輪を制作した。支援が必要な神社に対してはサポートをしながら今後は自走出来る仕組みを模索。茅の輪が出来たことで夏越の祓などの神事も執り行われ、小豆島の新しい夏の風物詩を作ることが出来た。
●あんどんまつり
小豆島、豊島の小学生が島々にまつわるメッセージや絵を牛乳パックに描き「SDGsあんどん」を制作した。神社の境内に飾り、家族で初夏の夏を楽しめる催しとして開催。あんどんづくりではSDGsの目標4,7,11,17の学びに繋げた。また運営主体となる小豆島町青年団をはじめ、行政、教育機関、商工会青年部、交通関係事業者、観光関連団体にもご協力いただき、子ども達の感性と共に新しい風景を実現することが出来た。設営では各社の氏子の方々にもサポートいただきながら約650個のあんどんを取り付けた。
●大祓詞のワークショップ
神道に対して理解を深めるため、夏越の祓で奏上する大祓詞の解説や練習会を開催。
●御朱印
夏詣限定御朱印のPRを促すポスターをフェリー内や観光施設などに設置した。
活動の成果
●神社を彩るあんどん作りのワークショップは、SDGsの教育の一環で小豆島町・土庄町の学校の授業として、または自由学習として小学生が制作。町の魅力を考え魅力を周りに伝えること、SDGsあんどんにはプラスチックを使用しないこと、照明の一部に再生エネルギーを活用すること、目的達成のために、地域全体で一緒に取組むこと等、SDGs目4,7,11,17に繋がり、実際に行動しながら学べる体験提供が実現し、約650名の子どもたちが参加した。
●当日のイベントは境内のライトアップを開催した。土庄八幡神社、内海八幡神社で各社3日間開催し、約1,000名の来場者が訪れた。コロナ禍によりお祭りの中止などが続き、神社へ詣でる機会が少なくなった子どもを中心としたファミリー層が会場に多く訪れ、神社を拠点に地域コミュニティーを育むことが出来た。
●行政関係や教育機関にも協力依頼をし小豆島町・土庄町の共同での取り組みとなった。またメインの運営は小豆島町青年団が積極的に実施し、運営サポートとして両町の商工会青年部、若手の氏子の方々からの協力体制も得られた。その他、今後小豆島の夏の観光コンテンツに磨き上げていくことを見込み、観光協会、バス会社、フェリー会社、タクシー会社からも後援が付き、ポスター等も様々な場所で飾っていただけた。
●茅の輪に関しては、材料の茅の葉を定期的に刈る為、廃棄されるはずの自然の物を活かして、古き良き風習の復元に成功し、家族で茅の輪くぐりをする様子も見受けられた。
●あんどんまつりは視覚的にも楽しめる催しだったので個人のSNSでも多く発信されていた。また会場の様子が四国新聞等にも取り上げられた。
●島外からの観光客に対して、小豆島限定御朱印帳を頒布し7社の神社を巡ることで島内全体の神社活性化を促進し、授与者によるSNS投稿で小豆島夏詣の認知を高めた。各社をバスや自転車で巡る観光客も見受けられた。
活動の課題
広域に渡る複数箇所での取り組みとなる為、人手が必要となる。本年度は子ども達がSDGsあんどんの作成、大人が飾り付けやイベント運営、広報の役割分担をしたが、人手不足で一人あたりの負担が大きかった。地域住民による演奏や踊り、イベントにまつわる作品展示等も取り入れ、大人も主役となるプロジェクト当事者を増やしたい。また島の人口減少と共にお祭に関わる人手も不足することが予想されるため、体験プログラムを造成し、神社を通したコミュニティーを構築することで関係人口創出を促進するきっかけを作る。外国人観光客に対しても多言語化したパンフレットを制作し参加者の幅を広げ、より多くの方々に瀬戸内の神社の魅力を発信し認知を高める。
小豆島あんどんまつり期間中の境内の様子
小学生が制作した SDGs あんどん一部
茅の輪づくり (伝法川沿いにて茅の葉を収穫し活用)