瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

地域を知り、地域に誇りをもつ「ジオクルーズ」の開発

讃岐ジオパーク構想推進準備委員会

活動の目的

香川県は国立公園の瀬戸内海、奇跡の火山活動によって形成されたサヌカイト等の火山岩類の世界的な学術研究、火山岩類が侵食されて形づくられた残丘が織りなす讃岐平野と備讃瀬戸の造形美および里山や島の岩石を利用した多様な石の文化と世界的価値が多くある。これらの魅力の知名度を向上させる取り組みとして、交通の要所であった瀬戸内海に脚光を当て、海から見える地形・地質・景観を、ブラタモリ風なお題に沿って説明するガイド法を開発し、その土地の物語を伝えていく新しい形のツアーを提案する。

活動の経過

1 東讃(馬篠港~馬ヶ鼻)ジオクルーズ
  4月19日 クルーズ下見
  5月 1日 馬ヶ鼻現地調査による地質の確認
  7月 9日 クルーズリハーサル
  9月30日 モニタークルーズ

2 荘内半島(三豊市)ジオクルーズ
 7月 2日 クルーズ下見
 7月10日 クルーズリハーサル
  9月 9日 モニタークルーズ

3 ジオツーリズムによる地域活性化シンポジウム
  1 日時/2月15日 参加申込者/167名(録画配信と併用)
  2 内容
  活動報告「ジオツーリズムによる香川県の魅力発信」
  長谷川 修一(讃岐ジオパーク構想推進準備委員会委員長)
  基調講演「ジオグルメ」で牽引するせとうち讃岐ジオツーリズム」
  巽 好幸 氏(ジオリブ研究所長・神戸大学名誉教授)
  パネルディスカッション
  ジオツーリズムを活用した地域のブランド化について
  3 福武財団助成
  ●パネルディスカッションコメンテーターに内田 真一 氏
  (公益財団法人 福武財団助成部門セクションリーダー)登壇
  ●助成でシンポジウム冊子、展示用ポスター作成

活動の成果

2022年度は、東讃(馬篠港-馬ケ鼻)、荘内半島(三豊市)でジオクルーズを行った。
1 東讃(馬篠港~馬ヶ鼻)ジオクルーズ
●お題は「なぜ津田湾に海から見た絶景が広がるのか?」
●東かがわ市上村一郎市長、さぬき市中村修副市長をはじめ、地域おこし協力隊、旅行会社等と当委員会を含め15名が参加。
●アンケートでは「宿泊を含めた2市の連携事業にするとおもしろい」
「コーヒーブレイクを挟むと商品価値が高まる」との評価をいただいた。
2 荘内半島(三豊市)ジオクルーズ
●お題は「なぜ荘内半島沖に絶景が広がるのか?」
●三豊市産業政策課、アウトドア会社、旅行会社等と当委員会を含め7名が参加。
●アンケートでは、「ワクワクさせる仕組みを取り入れるとおもしろい」「往路はジオクルーズ、復路はサンセットクルーズにするとメリハリがでる」「教育旅行としても使える」との評価をいただいた。
3 シンポジウム
●活動報告では委員長が、助成で行った2つのクルーズ事例と、ジオと食、サンセット、陸上のジオサイト探訪を組み合わせることが望ましいと報告した。
●パネルディスカッションでは、内田真一氏が、ジオはツーリズムだけではなく教育、防災にも使っていけると思うとコメントした。
●録画配信のシンポジウムのURL https://www.youtube.com/watch?v=kiQrq40nkV8

活動の課題

今回の取組みで、ジオクルーズを商品化するには、クルーズだけではなく、ジオクルーズと食等の楽しみを付加したツアーを考えることが望ましいことが分かった。また、ツアーの実施事業者の開拓と商品化に向けた連携体制の構築も課題である。
2023年度は、廃止された坂出港―下津井港の航路に着目し、地域の方たちとも連携した島めぐりジオクルーズを通して、かつての船便が担った役割について考えていきたい。

  • 荘内半島ジオクルーズ(報道機関による取材)

  • 馬篠港-馬ヶ鼻ジオクルーズ(意見交換会)

  • ジオツーリズムによる地域活性化シンポジウム(シンポジウム状況とポスター展示)