瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

サイクルツーリズムの学び

一般社団法人 小豆島サイクルツーリズム推進協会 須藤渚

活動の目的

サイクルツーリズムが始まったばかりの小豆島において、学びの場を設けることを目的とした。
1つ目は、サイクルツーリズムや地域振興の専門家による講演会を開催。
2つ目は安全性を高め、サイクリングガイドの知識を得るため、島内のサイクリスト向けの講習を行うこと。
3つ目は、小豆島サイクルツーリズム推進協会のメンバーがサイクルツーリズム先進地域へ実際に出向き、現場を学ぶこと。

活動の経過

2019年4月に、北海道サイクルツーリズム推進協会代表理事である高橋氏を北海道から小豆島に招き、安全講習を実施。島内のサイクリング愛好家約10名が参加した。座学ではチーム走行のルールやハンドサイン等を学び、実習では実際に小豆島でチーム走行をしながらガイドの練習も行った。
5月には、サイクリングイベントの前日イベントとして、講習会を開催。講習会は国土交通省ナショナルサイクルルート認定制度委員でもある高橋氏による「日本のサイクルツーリズムについて」、リバースプロジェクトトレーディング代表取締役である河合氏による「地域商社からみたサイクリング」をテーマに講演をいただいた。島内外から30名が参加し、講習会後には交流会を行い、参加者同士の交流の場を持つこともできた。
また、岡山県の8つのサイクリングルートの1つである「片鉄ロマン街道」に視察に出向き、サイクリングルートマップ、備前市サイクリングターミナルでの自転車貸出の様子、道路標識等を実際に見学することができた。

活動の成果

安全講習は、座学とサイクリング実地トレーニングの両方を行った。座学では、自転車道交法、ハンドサイン、ガイディングについて、事例を交えながら学び、セーフティトークのロールプレイ等も行い参加者同士、理解度を確認し合った。実地トレーニングでは、まず広場でチーム走行、細かい蛇行を練習し、次に、実際の道路に出てチーム走行を実施。先頭のリーダーは、後続の人たちに進行方向、ブレーキのタイミング、障害物をハンドサインと声両方で伝える。また、後方からも、後ろから来る車の情報やスピード調整等、コミュニケーションを図る。実習後には、実際に走って気づいたこと、難しかった場面を共有し、ルールを復習した。参加者からは、走行ルールの疑問が解消された、同じ自転車愛好家と意見交換できる良い機会となった等、沢山のポジティブなフィードバックを得ることができた。
講習会では、講師が実際に他地域で携わっているサイクリングツーリズムのPR動画“Japan Cycling Golden Route”を視聴したり、意見交換を行ったりして、サイクリングと地域事業の繋がりの大切さを学んだ。参加者に島外の方も多かったことや、行政、サイクリング事業者等、様々なバックグラウンドの方との意見交換を行うことができた。
視察を行った岡山県の片鉄ロマン街道では、サイクリング専用ロードが整備されており、道路標識等が分かりやすかっただけでなく、自転車レンタルの場所でももらえるサイクリングマップには、観光地や休憩ポイントの楽しさが分かりやすく書かれており、サイクリストにとって有難いサービスを沢山拝見することができた。
以上、様々な角度からサイクルツーリズムを学ぶことができた。

活動の課題

様々な方向から、サイクルツーリズムについて学ぶことができた。これらのうち、小豆島でも実現できること、立地や安全等の観点からできないことを判断し、良い所を地域に合った形で取り入れていくことが必要だと感じた。

  • 安全講習会での走行練習

  • サイクリング講演会

  • 片鉄ロマン街道視察