アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

神戸下町おかんアート展(せめる編:豊島への遠征)と(まもる編:神戸での展覧会)の開催

下町レトロに首っ丈の会

実施期間
2014年10月~2015年1月

活動の目的

母が日常生活において無心でつくる「おかんアート」という庶民発の現代アートの存在や作者である母らを伝えること、特に、豊島の母らを、制作を通して現代アートの主体へと転換することが目的である。

活動の内容

神戸の下町兵庫区、長田区の婦人が生活の傍ら作る「おかんアート(母の手芸作品)」は庶民の現代アートである。神戸のおかん達が豊島に遠征し、おかんアートの展示及び豊島の婦人らと作品を共に創作するワークショップを開催し交流を深める。そして、豊島の婦人らが、今まで制作してきた作品が庶民発の現代アートであることに気付くきっかけを作る。その後、神戸にておかんアート展を開催し、神戸のおかんアート作者の発掘を進め、作品の展示、教室を通して「おかんアート」の魅力を発信する。
実施場所:香川県小豆郡土庄町豊島及び兵庫県神戸市
実施期間: 2014年10月(豊島でのワークショップ及び展覧会)、2015年1月(神戸でのおかんアート展)

参加作家、参加人数

豊島:
○豊島在住婦人:14名、発掘した婦人:7名
○神戸からの婦人:2名、神戸スタッフ:8名
神戸:
○出展者:20名
○スタッフ:10名

他機関との連携

財団法人 神戸市婦人文化協会/豊島老人会/つながっぺ南相馬/くもの会/NHK 神戸放送局(広報)/神戸新聞社(広報)/ウーマンライフ新聞社(広報)/神戸BAL(広報)

活動の効果

豊島に於いて、手芸を趣味とするおかんアート作者21名を発掘するに至った。また、豊島のおかんアート作者と神戸のおかんアート作者との交流を通して、作品や技能の交流を行うことができた。神戸に於いて、おかんアート展への新たな出展者を10名発掘するに至った。若年層のおかんアートファンがスタッフとなり、特に教室を通して多世代交流ができた。500名ほどが来訪した。

活動の独自性

①母が日常生活の中において制作する手芸作品を「おかんアート」という庶民発の現代アートとして着目し、作者である婦人を「おかんアーティスト」として紹介することにより、婦人らが地域のアートを担う主体として自覚することを促す点、②神戸で自覚をした婦人が、豊島に訪問し、豊島の婦人らへの自覚を促す点、という2点に独自性があると考える。

総括

2016年に開催される瀬戸内国際芸術祭に於いて、豊島の母らが「おかんアート」を制作する現代アーティストとして、島外からの現代アーティストや来訪者を迎え入れることを目標として定めている。その1年目として、豊島で手芸を趣味とする婦人らとそのコミュニティーを発掘することができた。また、神戸のおかんアート作者は、神戸の下町文化である「おかんアート」を担っているとの自覚を持ち始め、豊島の婦人らとのワークショップを通して、交流が進み始めた。2年目である2015年には、発掘を豊島外の島に拡張する。