アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

子ども達も地域の人々もアートを楽しみながら創造性と地域のつながりを育んでいく ̶アーカス・エデュケーションプログラム̶

アーカスプロジェクト実行委員会

実施期間
2014年9月~2015年3月

活動の目的

アート分野だけではなく、より多角的な相互教育や学びあいの機会をつくるため、サイエンスなどの異分野、小学校などの教育機関、地域住民などと連携したワークショップや作品制作に取り組み、地域のなかで豊かな関係性を築くことのできる人材を育てる。

活動の内容

①「いちねんせいのさくひんてん」市内3カ所の小学校にアーティスト松本力氏を派遣し、1年生全生徒と共に、アニメーション作品の制作を行った。アーティストと児童が共同制作したアニメーションは、成果発表展として市内にて展示、上映を行った。
②「だいちの星座プロジェクト」金沢美術工芸大学、宇宙航空開発研究機構(JAXA)との連携のもと、アートとサイエンスを楽しく学ぶ機会として、人工衛星を利用して地表に星座を描くプロジェクトを展開した。
③「映像作品のための連続/断続的ワークショップ」映像作家の大木裕之氏の映像作品制作のため、市民が市内を個人的な視点から案内するなどコーディネートを行い、映像制作に関わった。
実施場所:茨城県守谷市各所

参加作家、参加人数

①参加作家:松本力 参加人数 408人
②参加作家:鈴木浩之 参加人数 652人
③参加作家:大木裕之 参加人数 4人

他機関との連携

①取手アートプロジェクト、市内各小学校
②金沢美術工芸大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)

活動の効果

アーティストや専門家などとの関わりや、他者との共同制作を実施することで、小学生や地域住民が相互にコミュニケーションをとり、お互いに協力関係を結んで教育しあう環境が生まれた。また、教育機関や科学技術分野などの異分野、一般市民などの非専門家との連携をとることで、より多角的な視点からアートを学ぶことが可能となった。

活動の独自性

アーティストが独自に作品を制作し、地域住民や来場者が鑑賞するといった一方通行的な作品の受容ではなく、ワークショップやレクチャーを通じて、地域住民や小学生、または今までアートに興味のなかった科学分野に関わる人などが作品制作の過程やコンセプトづくり、プログラム構築にまで積極的に参加することによって成立するプログラムを組んでいる。

総括

アート作品の制作を通じ、子ども達のコミュニケーション能力の向上に寄与する教育的な手法に取り組むという観点でプログラムの構築を行ってきたが、子どものみならず、教育期間や研究機関、また地域住民との共同作業のなかで、保護者や教育者、異なる分野の専門家、一般市民など、より広範囲にわたる人びととの協力関係のなかで三つのプログラムを実施することが可能となった。また、多年代、幅広い層と関わることによって、相互教育や学び合いの機会づくりが可能となり、参加者同士のコミュニケーションが発展した。
相互教育に取り組む環境が育まれる地域づくりを目指すことで、他者や多様性を認める社会づくりへ貢献することとなった。教育機関やアート以外の専門分野との交流では、アートの観点のみならず、より多角的に物事を捉えることができ、またいままでアートに興味のなかった人との交流も生まれ、今後も様々な分野や機関との連携のもと事業を展開することを強く意識することとなった。