アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

第3回福島シネマプロジェクト

福島シネマプロジェクト実行委員会

実施期間
2014年8月31日

活動の目的

原子力災害の影響で崩壊した飯坂温泉街の住民の絆を再生するために、表現活動を通じた創造的かつ文化的な街づくり活動を実施する。

活動の内容

飯坂温泉街の公共施設の壁面に世界最大級(世界2位 縦17m×横21m)のスクリーンを設置して、不特定多数の福島市近郊の住民を対象に、松竹株式会社の配給する日本アニメ映画4本の野外上映会を実施する。
また、上映作品に登場する架空のロボットの実物大のセットを設置して賑わいを創出する。
実施場所:福島県福島市飯坂温泉

参加作家、参加人数

参加人数:およそ5,000人
上映作品:
①アナと雪の女王
②サマーウォーズ
③劇場版パトレイバー the Movie
④劇場版パトレイバー2 the Movie

他機関との連携

飯坂温泉観光協会と密に連携を図るほか、上映作品に関連する警視庁と連携して、パトカーや白バイの試乗を実施した。

活動の効果

原子力災害後、風評被害にさらされやすい観光地において、自らが元気を発信できたことは地域住民の自信にもつながった。さらに温泉地の顧客も高齢化するなか、文化的な若い世代にも温泉の魅力を周知させることができ、新しい顧客の創出の一助となった。

活動の独自性

温泉とエンターテインメントの組み合わせに意外性があり話題となった。さらに、巨大スクリーンと実物大ロボットの登場で、特に子どもたちの目を釘付けにした。

総括

今回で3回目となる当事業は、集客や発信の部分では大成功のうち終了することができた。ただ、そこを追い求めるばかりにエンターテインメント寄りになってしまい、文化的な活動とは乖離してしまうという矛盾にぶつかった。福島の、特に原発事故や食生活に関連するドキュメンタリー映画等の上映機会を創出することによって、次回は両軸で実施できるよう活動を展開していきたい。
また、今回の実績を受けて地域団体に実施主体の役割を引き継ぐことができ、より地域住民に資する体制を整えることができた。