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アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ
活動の目的
障害を軸に創造的関係を築くことで、地域の創造性を育み、これを発信する。開かれた福祉施設として、地域、個人、障害福祉施設の三者の横断的な取り組みを行い、相互の課題解決を行うことで、社会課題の解決に繋がることを狙う。
活動の内容
・「のヴぁてれび」の開設
新しい就労の形として映像制作業務を行う場として開設。アルス・ノヴァでの活動の発信を行う「週刊のヴぁテレビ」のネット番組を配信中。
・「ひとインレジデンス」(のヴぁ塾)(静岡県と共催)
福祉、アート、出版、文化政策、地域振興など、さまざまな分野で活躍している学識経験者、実践者をお招きして、障害福祉施設アルス・ノヴァおよびのヴぁ公民館に滞在し、ソーシャル・インクルージョンについて考えるプログラムを9回実施した。
・「Platform of Diversity」(浜松市と共催)
浜松市内で活動する創造的な取り組みをしている団体や関係者を招いてそれぞれの取り組みの紹介と創造都市:浜松についての議論を行った。全6回。
・リサーチ
障害やマイノリティーをテーマにする映画監督、佐々木誠さんを招き、上映会と対話の時間を設けた。
主要活動場所:のヴぁ公民館( 静岡県浜松市西区入野町9156)
参加作家、参加人数
ひとインレジデンス開催日と各回ゲスト
第1回 6月2日 陸奥賢(コモンズデザイナー)
第2回 6月20日 長津結一郎(ソーシャルインクルージョン研究者)
第3回 7月10日 関根幹司(スタジオクウカ施設長)
第4回 9月19日 アサダワタル(日常編集家)
第5回 10月9日 吉本光宏(ニッセイ研究所主席研究員)
第6回 11月14日 金代健次郎(公益財団法人 福武財団事務局長)
第7回 12月18日 加藤種男(企業メセナ協議会常任理事)
第8回 1月16日 都築響一(編集家)
第9回 2月19日 椹木野衣(美術評論家)
他機関との連携
浜松市文化政策課創造都市推進グループ:インクルーシブ・カフェの開催協力
浜松市入野地区社会福祉協議会:代表の久保田への講演依頼、福祉まつりへの出展
活動の効果
・障害を軸にしたインクルーシブ・メディア
なかなか見えづらい障害福祉施設の日常を動画で配信するという試みは、施設の利用者さんのご家族から好意的に受け入れられ、福祉関係の方からも面白い取り組みだと評価された。またレッツにとっては彼らの日常をコンテンツとしてアーカイブすることができた。
・地域との関係づくり
創造都市を支える事業の主体となる20団体をゲストとして招く議論の場を「のヴぁ公民館」にて行い、またそれをネット配信することで、創造都市と多様性のプラットフォームとして機能した。
活動の独自性
・開かれた障害福祉施設:障害を軸にした居場所づくりとして「のヴぁ公民館」の運営。各種講座やワークショップ、イベントの開催。
・就労の形として全国で初めての映像業務:一般的な就労のように作業に人をあてがうのではなく、個人のやりたいことをもとに番組制作を行い、さらに映像制作に関わる技術の習得を行った。
・ソーシャル・インクルージョンの実践:開かれた施設「のヴぁ公民館」と、障害のある人の日常の発信「のヴぁてれび」、そして多様な分野からのゲストを招いた「ひとインレジデンス」によってソーシャル・インクルージョンの実践を行った。
総括
・Creative Neighborhood ~創造的関係~
レッツは歩み寄り型のソーシャル・インクルージョンではなく、個人の思いや違いを認め合うことでのソーシャル・インクルージョンを行ってきた。これはコミュニティーの復活や再構築とは異なり、誰しもが持つ個人の創造性を発揮し、受け入れ合うことで成立する創造的関係の構築といえる。障害のある人の日常を軸に、彼らとの関わりや、居場所づくり、講座やワークショプの開催は、これまでにない数の見学者の来訪に繋がり、多様なジャンルのゲストがこの場を体験する機会に繋がった。また地域の中で面白い福祉施設という認識から、講演依頼や地域のお祭りへの出展に繋がり、施設を開設し5年がたったが、ようやく地域との協働が無理なくできる関係を築くことができたと認識している。
・インクルーシブ・メディア
インクルーシブ・メディアとは、スポンサーに頼らず、発信したい人が発信し、相互の対話が可能なメディアと考える。本事業で開設した「のヴぁてれび」は施設の日常の発信だけではなく、市内で起きている創造的な取り組みの紹介や、浜松市のイベントのネット中継といったさまざまな展開を生んだ。
「のヴぁてれび」における就労の様子
ひとインレジデンス第9回ゲスト椹木野衣さん
Platform of Diversity 06会場の様子