アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

かまぼこアートセンター2015

かまぼこアートセンター

実施期間
2015年7月21日~9月13日

活動の目的

2013年、小沢剛によって制作された倉庫型ギャラリー「かまぼこ型倉庫プロジェクト」を地域のアートセンターとして運営していくことを目的とする。

活動の内容

2012年に日本全国から公募によって選出された5名の若手アーティストが、まつだいという地域に通いながら、それぞれの視点で地域の魅力を掘り出していく。夏の「大地の芸術祭」開催時期には、それぞれの作家の作品がコラボレートし、まつだいにアートによるテーマパークのような空間をつくりあげた。
実施場所:新潟県十日町市松代3743-1 まつだい「農舞台」

参加作家、参加人数

プロジェクトディレクターとして、かまぼこ型倉庫プロジェクトの製作者である小沢剛が参加。また、公募により選出された小池芽英子、荻野ちよ、寺澤伸彦、深澤孝史、山本麻世の5名がそれぞれ作品を制作。会期中は、延べ37,169名(※まつだい「農舞台」来場者)が会場を訪れた。

他機関との連携

大地の芸術祭実行委員会、およびまつだい「農舞台」と連携して事業を実施した。また、作品制作にあたり、まつだい地域の住民の協力を得た。

活動の効果

今回のプロジェクトでは、高齢者の方々に加えて、もともと芸術祭を通じてアートに親しんできた世代の子供たち(現在の中学生~高校生)が成長し、より積極的に制作に参加してくれるようになったことで、アートが地域にとってより身近な存在になったのではないかと感じた。

活動の独自性

公募で全国から選出された作家が、それぞれの住む地域とは全く異なる生活文化をもつ越後妻有のまつだいという地域に通い、その魅力を見い出していく。その対象は、自然の風景であったり、そこに暮らす人々であったり、作物であったりとさまざまで、それらはすべてあらためて意識しなければ気づかない瑣末な物事であるが、作家それぞれの手法で昇華され、見るものに新鮮な驚きを与える作品となった。

総括

展示要素の一つが、植物(野菜や山野草)であったこともあり、コンディションの維持が非常に重要であったが、地域住民の協力により、予想外に良い状態で会期を乗り切ることができた。
また、それぞれが地域の特徴を持つ作品を通じて、作家や来場者、地域住民のコミュニケーションが生まれる場になったことは、非常に喜ばしい結果であった。

  • 山本麻世「へその緒くぐり」内部

  • 荻野ちよ「あたりまえのダンス」

  • 小池芽英子「かまぼこムーブセンター・かまぼこムーブメイト」