アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

別府市におけるアートを活かした地域振興事業

混浴温泉世界実行委員会

実施期間
2017年10月28日~12月24日

活動の目的

別府市における文化振興事業を通じて、優れた芸術活動を別府市民に紹介し文化芸術振興を図るとともに、地域活性化を担う人材育成に寄与し、別府市の魅力を全国へ発信することを目的として事業を行っている。

活動の内容

今年度は3つの事業を展開した。
芸術振興事業:11月の1カ月間に市内で開催されるさまざまな文化事業を紹介し、支援する登録型のプラットフォーム事業『ベップ・アート・マンス』と、国際的に活躍する1組のアーティストを招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを展開する『in BEPPU』、2つの芸術祭を同時期に開催した。
情報発信事業:地域の魅力を全国に発信するWebサイト『旅手帖 beppu』の記事拡充と、外国人向けコンテンツ『豆知識beppu』の継続運営を行った。
定住促進事業:移住・定住促進の先進的事例都市、ポートランドの視察と、空き家物件を所有する別府市民へのアンケート、インタビュー調査を行った。
実施場所:大分県別府市内各所

参加作家、参加人数

『ベップ・アート・マンス』は93の団体/個人が107プログラムを登録し、11/1~12/3の開催期間で10,005名の来場者があった。『in BEPPU』ではアーティスト・西野 達氏を招聘し、10/28~12/24の開催期間で13,391名の来場者があった。
※来場者数は作品『油屋ホテル』来場者のみ計上。

他機関との連携

事業運営において、パートナーである別府市とは担当課の文化国際課のほか、温泉課、建築指導課、秘書広報課と連携した。また、『in BEPPU』実施においては九州旅客鉄道株式会社、TOSテレビ大分、市内の旅館・ホテル、市内の文房具店、まちあるき団体などの協力を得ることができた。

活動の効果

8年目を迎えた『ベップ・アート・マンス』は過去最多のプログラム数を実現し、これは市内の文化芸術におけるさまざまなプレイヤーが育った成果だと考える。『in BEPPU』では多くの方々のご理解とご協力を得てアートプロジェクトを実現できたことで作品の質が高まり、当初予定していた目標数を超える来場者を迎えることができた。また、西野氏は本展での取り組みが評価され、平成29年度芸術選奨・文部科学大臣賞(美術部門)を受賞した。

活動の独自性

市民の主体的な参画を促進し、別府市における芸術文化の振興を促す“水平型”の事業『ベップ・アート・マンス』と、国際的に活躍するアーティストの作品を紹介する“垂直型”の事業『inBEPPU』、この2つの芸術祭を開催することで、同時期に幅広い層の観客を別府に迎え入れている。また、本事業の核である『inBEPPU』は個展形式の芸術祭として、毎年規模の大きなプロジェクトを住民や行政と連携して開催する点が大きな特徴である。今年度は『西野 達 in 別府』と題し、別府名勝『地獄めぐり』にちなんで『芸術めぐり』をテーマに中心市街地の各所に大型の屋外インスタレーション作品4点と写真作品9点を展示した。

総括

中心市街地を舞台にアートプロジェクトを展開した『i nBEPPU』では、さまざまなイベントを通してアーティストや作品についての理解を深める場を設けるなど、市民や来場者に向けた情報発信・企画運営に工夫を凝らしたことにより、おおむね好評を得ることができた。西野氏にとって過去最大規模の個展となった本展は多くのメディアにも取り上げていただき、『inBEPPU』は2年目を迎えて徐々に地域へ浸透し始めてきたと感じる。しかしながら、『ベップ・アート・マンス』や『in BEPPU』をはじめとした当実行委員会事業の質をさらに高めるために、事務局体制の強化やスタッフの意識向上など、事務局の至らない部分を増強していく必要がある。我々は今年度、アーツコンソーシアム大分の協力を得て、2011年度より利用していた事業評価シートの改定を行った。今後はこのシートを事務局スタッフにとっての「活動の心得」「道しるべ」として機能させ、評価指標として活用していく所存である。

  • 『ベップ・アート・マンス』プログラムの様子

  • 『西野 達 in 別府』の作品『油屋ホテル』

  • 『西野 達 in 別府』作品鑑賞ツアーの様子