アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

市民参加型旧工場芸術的再開発計画

アメフラシ

実施期間
2017年4月~2018年3月

活動の目的

地域住民の諸問題に対する危機意識を高め、創造的に地域の問題に取り組むためのサポートを目的としている。

活動の内容

旧工場を作品と見立て、破壊と創造を体験。
破壊は、天井と床の解体を実施。単に壊し捨てるのではなく、材の再利用を考えて解体した。
創造は、実施の前段階として、プロの大工の指導の下、大工道具の使い方と技術を学ぶ大工道具箱作りワークショップを実施した。他、不要になった陶器を利用した壁画制作と自分たちの手で床を作る床板張りワークショップを実施した。
また、さまざまな地域の集まりに参加し、私たちのプロジェクトについて説明する機会を設けた。
実施場所:山形県長井市

参加作家、参加人数

県内で「一人親方」を実施している大工の荒達宏さんが講師で参加。
ワークショップは、全8回の開催で、延べ31名の方が参加。地元の女性の方や子どもたちをはじめ、市外からの他、東北芸術工科大学の学生などが参加。

他機関との連携

那須建設、丸八鉄工所、山市、ワタナベ製材所、宇津木興建、工藤建築研究所、長井市役所、長井市教育委員会

活動の効果

活動への参加者数は伸び悩んだが、話題性はあったようで、さまざまな人や団体と繋がりを生むことができた。おかげで、地域の方に直接私たちの考えを伝えることができ、賛同した企業が、無償または低価格で仕事を請け負ってくれた。
近隣では、私たちの活動に呼応するかのように、空き家のリノベーションが始まっている。少しずつではあるか、影響が表れていると思う。

活動の独自性

建物を一つの作品に見立て、地域住民と共に文化施設を造るという活動は、規模が大きく、他に類を見ない活動である。また、建物を再利用することが、空き家の利活用や人口減少といった地方における社会問題に対しての問題意識を顕在化することにも繋がっており、そこに疑問を持った現代アーティストと創作活動を共有することが、この活動の独自性となっている。

総括

作品に見立てたものの、媒体が建築物である限り、さまざまな制約があり、スケジュールを変更することとなった。思い描いた形で進めることはできなかったが、かえってそれが、地方都市で空き家対策が遅れている現状などを知る機会となり、関わりを持った地域の方々に問題提起をすることができたようだ。
そういった疑問を持った人たちが、資材や技術の提供をしてくれたり、ワークショップに参加し、この建物を通して社会問題意識を高められたと感じる。牛歩の歩みではあるが、確実に地域に根付いた創作活動が実施できたのではないかと思う。

  • 大工道具箱制作の様子

  • 陶片を使った壁面制作の様子

  • 床板張りの様子