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アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ
活動の目的
東日本大震災の津波被災地である三陸沿岸地域各市町村では、2017年から本格的なまちびらきが始まった。アートワークショップを開催し、町を彩る作品を地域の方たち、特に次世代を担う子どもたちと制作し、まちびらき/まちづくりに関われる機会を創出する。
活動の内容
新しくつくられていく町(大船渡駅周辺商店街)に展示するためのワークショップをGW、夏に開催。GWは巣箱を色付けるWS、夏はサンマのレリーフ(大船渡がサンマの水揚げ量が本州一であるため)に絵を描くWSを美術家井上信太氏を招聘し開催した。また、サンマレリーフを使ったアニメーションを制作するWSを、佐藤典之氏を招聘し開催した。巣箱とレリーフは商店街内に飾り、アニメーションはライブハウスで開催された映像祭にて上映した。
実施場所:岩手県大船渡市
参加作家、参加人数
井上信太(美術作家)によるアートワークショップを商店街内のコミュニティーセンター、市内学童などで全8回開催し、延べ250名が参加した。
佐藤典之(映像作家・CMディレクター)による映像ワークショップは全2回開催し、延べ50名の子どもたちが参加した。
他機関との連携
株式会社キャッセン大船渡(まちづくり会社)の協力により、作品をまちびらきしたばかりの商店街内に長期展示し、新しい町に子どもたちの手を加えることができた。
活動の効果
大船渡市内外から毎回多くの親子、子どもたちが参加し、新しい町を賑わせた。また、自分の作品が飾られているため、その後も見に来る親子が多くいるなど、ワークショップ開催期間中だけではなく、町に興味を持つ子どもがいた。また、作品の前で写真を撮り、SNSで発信してくれる方などがいるなど、関係者以外からも町の様子を発信するきっかけをつくることができた。
活動の独自性
各市町村で始まっているまちびらき。それぞれの町がその地域の特色を活かしたまちづくりを進めている中で、大船渡ではだれもが参加できるようアートワークショップを開催した。子どもたちの自由な発想、色遣いによる作品が出来上がり、長い期間商店街を飾り、市民の方たちに楽しんでいただけた。さらに、作品を使ったアニメーションを制作することで、子どもたちの表現する力をより刺激することができた。
総括
何回か続けてワークショップを開催することで、地域の方たちにも知られ、続けて参加してくれる親子もいた。子どもたちにとって、ゼロからつくられた町に、自分たちの作品が飾られたという記憶は、今後の町への意識が高まっていくと考えられる。
町はつくられて終わりではない。ここからどのように地域の方たちが参加し、変わり続けていくことができるのか。将来、この町を担う今の子どもたちがどれくらいそこに関わることができるのかが、町の未来に影響を与える。この一連のワークショップを通して、そのことに寄与できたのではないかと考えている。
カラフルな巣箱を商店街内に飾りました
サンマのレリーフと美術家・井上信太
かさ上げ地の会場。お客様をお迎えする動物のゲート