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活動レポート

2023年9月21日瀬戸内助成

vol.19男木島の納屋をオフグリッドと循環を学ぶ 宿泊施設兼島の交流スペースとして改修し、 唯一の寺「道場」を介したコミュニティの再生プロジェクト(明治大学地域デザイン(川島範久)研究室)の活動紹介

■活動紹介
現在、プロジェクトの第一段階として、道場に隣接する納屋を宿泊施設兼交流スペースへと改修しており、離島という明確なバウンダリーにより顕在化する、空き家や限られた資源、海を通る脆弱なインフラ、垂れ流しの排水、コミュニティなどの課題を学びのポテンシャルと捉え、体験が多くの学びを生む場所として計画を進めています。島内だけでなく高松市まで視点を広げ、そこで上手く使われていない資源の実態と活用方法を研究しており、その実践として、改修の際にそれらをアップサイクルして資材として活用しています。例として、高松市の材木店・製材所において、虫食いや節、剥がれ、売れ残りなどの理由から未利用となっている木材を譲り受け、構造補強や外壁、内壁など、その特徴に合わせて活用したり、解体した土壁を三和土土間として活用したり、島民の方々が廃棄する廃布団や古着を繊維の状態に戻して断熱材として活用する方法を研究したりしています。また、自律型の給湯・暖房設備と排水処理設備の導入に向けて、薪ボイラーが給湯の役割に加えて、その際に出る排熱をカスケード利用することで床暖房の役割を果たすような仕組みの研究や、植物や土壌により雑排水を浄化する植生浄化槽の研究も進めており、今後実践の段階に移る予定です。

納屋改修計画




計画の際に、予算や普段の学業との兼ね合いで、現場を訪れる機会が1〜2か月に1度と限られていることから、大学にいる際の設計活動が大半となっており、現地で実測したデータをもとに3Dモデルを用いて、精度の高い設計を行っています。また、活動と研究を往復するものとして、メンバーの修士論文は男木島での活動に関連したテーマ(現在は未利用材や断熱材、よそ者地域デザインなど)で、大学で研究したものが実践に移り、男木島で実践したものが研究になるという非常に有意義なサイクルが出来ています。他にも、大学の研究室であるという強みを活かし、構造補強の解析や給湯、暖房設備の検討を建築構造研究室、建築設備研究室の方々の協力を頂きながら行っています。

建築構造研究室と共同設計した未利用木材を用いた耐力壁




納屋の改修と合わせて、島民の方々に向けたワークショップを開催しており、これまでに廃瓦を用いたピザ窯とピザを製作するワークショップや、納屋の敷地内に設置する予定のテントサウナを体験して頂くワークショップを開催してきました。今後は、三和土土間の施工を一緒に行うワークショップや、道場の活用方法を一緒に考えるワークショップを開催する予定です。これらのワークショップを通してコミュニティを醸成していくことで、失われてしまったコモンズとしての道場の役割を徐々に取り戻し、道場を残す新たな継承の方法を島民の方々と共に模索していきます。

男木島でのワークショップ




また、大学と現地の2拠点での活動という特徴を活かし、他地域においても男木島の魅力や私たちの活動を宣伝し、興味を持ってもらうためのワークショップを行っており、東京都世田谷区の用賀で2023年8月に行ったワークショップでは約15人もの方々に集まって頂きました。今後もこうした他地域で興味を持った方々に向けてワークショップを行い、関係人口や移住者の増加・創出に努めていきたいと考えています。

用賀でのワークショップ





■今後の展開
研究室とは別にNPO法人を設立し、この2つが連携した活動を行うことで、持続的な体制を整えていき、その過程の中で男木島内にある他団体や他施設と連携した運営体制を構築していくことを目指します。また、自主施工で安価に空き家を改修することを望む移住者をはじめとした島民の方々と、使えるが売れない材を抱えている材木店などの業者の方々との関係性を構築し、また資源の利用方法を提示することにより、男木島ならではの新たな資源利用の在り方が確立することを目指します。 

(明治大学地域デザイン(川島範久)研究室 佐藤 壮真)

■明治大学 地域デザイン研究室:http://norikawashima-lab.jp/ 
■明治大学 男木島PJ Instagram:https://instagram.com/meiji_ogipj?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==