アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

さどの島銀河芸術祭2021

一般社団法人佐渡国際芸術推進機構(さどの島銀河芸術祭実行委員会)

実施期間
2021年8月8日~10月3日

活動の目的

2021年は、アーティストが国家や地域、文化の違いを越え佐渡島に身を置き、離島という特異な文化や歴史の中で滞在し、地域の人々との交流を通して刺激やアイディア、インスピレーションを得て、新たな創作の糧としていく活動を進めることを行った。佐渡島で国際芸術祭を開催することによって、アーティストや地域の人々が、作品制作を通じ地域の魅力の向上、活性化を図ることはもちろん、新たな観光需要の掘り起こしや、魅力発信により来場者を増やすことで経済的効果を生み、地域の新たな仕事創出、インバウンド、二拠点生活や移住促進などアートを活かした地域の課題解決や価値創出につなげ、佐渡島から世界につながり、島を次世代に継承するのが活動の目的。

活動の内容

「さどの島銀河芸術祭2021」では、以下のプロジェクトを実施した。
1 アート・ツアープロジェクト/佐渡島内に多く残る民話や民俗文化、佐渡ジオパークなどを芸術の視点でリサーチを行い、芸術祭展示作品を含めたルートを造成し貸切バスで巡るツアーを行った。
2 作品制作・展示プロジェクト/国内外からアーティストや大学関係者を招聘し、リサーチをした後、土地に根ざした作品を地域住民と協働で制作・展示した。
3 SADOMMUNE(インターネット動画配信)プロジェクト/参加アーティストとの対談や、大学関係者や地域住民等と民俗学や自然・文化をアートの視点で訪ね歩き、テレビ放映や動画配信を行い情報発信につなげた。
4 シンポジウム・トークセッション/実行委員会メンバーや参加アーティスト、アドバイザー、大学関係者等と対談形式でシンポジウム・トークセッションを行い、これからの佐渡での芸術祭のあり方等について探った。
5 市民プロジェクト(さどポルテ)/市民の参加を促進するため、8月8日~12月31日の期間で、市民プロジェクトを公募、開催した。
6 佐渡の自然・文化を活用したキャンプフェスティバル(FRACTAL CAMP)/9月18日(土)~19日(日)テリー・ライリー、灰野敬二などが参加し、食・映像・音楽等を融合したキャンプフェスを開催した。
7 共生社会推進プロジェクト/障がいのある方と健常者とのより良い共生社会の推進を図るため「佐渡アール・ブリュット展」を開催したほか、歴史的建造物である能舞台で「手話狂言」を開催した。

参加作家、参加人数

Terry Riley(テリー・ライリー=米国)、ホンマタカシ(日本)、ハ・ジョンナム(韓国)、楳図かずお(日本)、山井隆介+長谷川億名(日本)、Kujun(日本)、梶井照陰(日本)、大輪龍志(日本)、できやよい(日本)、Ethan Estess(イーサン・エステス=米国)等が参加し、参加人数は、20,490 人だった。

他機関との連携

佐渡市、(一社)佐渡観光交流機構等、観光、宿泊事業者、複数大学機関、佐渡汽船(株)(船会社)、(株)スノーピーク、(株)日本旅行、JA 佐渡等と連携して事業を実施した。

活動の効果

芸術祭本祭の開催年となった本年度は、年間を通じアートプロジェクトとリサーチ、アートイベント等を進めてきた結果、島内外の人々との交流人口や関係人口の増加につながった。2016年から継続して活動を行ってきた結果、地域住民からさらなる継続的な活動を要望されたり、島内をはじめ新潟県内の企業から協賛を得ることにもつながったほか、美術関係者への認知度もアップし大学関係や市民の参加も増加した。

活動の独自性

日本国内では沖縄本島に次ぐ大きさの離島である佐渡島で3年に1回のトリエンナーレ形式での国際芸術祭開催を目指して行われている活動。時代時代にさまざまな人や物の往来があった佐渡では、能や鬼太鼓をはじめとする、独特な芸能・文化を生み出し、独自の生活スタイルや日本文化が残っている場所である。その中で育まれた民話や伝承、この地で暮らす人々の魅力を、島内外のアーティスト達が媒介となり再発見し、多様な価値観が共存してきたこの島で、既存の枠組みにとらわれない展示空間やアートのあり方を考えていく取り組みを行っている点が活動の独自性である。

総括

検温やクラウド方式のコロナシートを活用するなど、感染拡大防止対策をしっかり行った上でこれまでのプロジェクトを発展させ芸術祭本祭として、島内各地で作品展示やアート・イベント、アート・ツアー、シンポジウム等を行った。会場には、島内各所の歴史的建造物である神社仏閣、ユネスコ世界遺産へ推薦することが決定した金山周辺の相川地区の北沢浮遊選鉱場などを選定した。今年度初めての取り組みとなったアート・キャンプやアート・ツアー、アート・イベントは、感染症対策を行い開催した。本芸術祭に関わった多くの方々から、多種多様かつ貴重なご意見等を数多く頂戴し、佐渡が持つ自然や歴史、
文化等の魅力をアーティストと地域住民が協働で作り上げ、これまで伝えることができなかった佐渡の潜在力の高さを、より広く伝えることにつながった。集客については目標としていた人数には届かなかったが、芸術祭を開催したことにより、ウィズコロナ、アフターコロナの国際芸術祭のあり方の指針の一つとなったと思う。島民だけでなく、芸術祭をきっかけに来島した参加者に、佐渡の魅力を十分体感していただくことができ、今後のプロジェクトの継続に大きな可能性と、新たな動きを生み出す機会となった。

  • ライブパフォーマンス「SPIRIT」

  • 「かみとかみとかみと」ハ・ジョンナムの展示

  • 佐渡鷹流狂言と手話狂言を大膳神社で開催