活動レポート

2019年12月3日瀬戸内助成

Vol.05 塩屋布団太鼓による子供巡行活動(塩屋青年会)の活動紹介

■塩屋布団太鼓の歴史と塩屋青年会について
神戸市垂水区塩屋地区の布団太鼓は昭和35年頃に一度廃絶となりましたが、平成20年に他地区より太鼓を譲ってもらうことになったことから約50年ぶりに太鼓台が復活しました。文化庁や行政の助成金を受けながら、青年会の中でも修繕費を持ち寄り、太鼓台を修繕していったそうです。塩屋布団太鼓巡業は年々地域の多くの方が参加し、世代交流の場となっており、塩屋青年会は祭り継承のための活動を行っています。

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総代の北川昇三氏(塩屋協議会会長)によると、担ぎ手の青年をコンビニでスカウトすることもあったそうです。祭りはみんなに活躍の場があり、そういう意味で祭りが復活後、塩屋は開かれた地域になっていった気がする、とおっしゃっていました。同じく総代の長谷川幸夫氏(塩屋財産区管理会会長)は、各年代をつなげていきたいと、「村(行政村ではなく自然村)」づくりを引っ張っていく活動をされてきており、近隣には5つの「村」がありますが、他地区の祭りの応援に行ったり、来てもらったりして担ぎ手の人員のやりくりをしているそうです。


復活した塩屋の布団太鼓


■子供巡行と次の世代への継承の試み
塩屋青年会では、地域の小学校で獅子舞公演や太鼓叩き体験会を実施することで、子どもたちが郷土芸能への興味がわくような活動をしてきました。今までは学校のジャージ姿で太鼓を叩いてきた乗り子(太鼓台に乗り、太鼓を叩く子ども)ですが、今年度は乗り子の衣装と法被を新たに制作し、乗り子が子どもたちの「憧れの対象」となるよう工夫されていました。また、多くの子どもたちに参加してもらうべく、地域の小学校へアプローチし、子供巡行参加者募集のチラシを配布してもらったりと、地域の学校やPTAからの理解も進んでいるようです。


新たに制作した乗り子の衣装


10月の子供巡行当日、集合場所には多くの子どもたちが集まり、250名以上が参加しました。大人と子どもの力を合わせて塩屋の急坂を進む塩屋布団太鼓の子供巡行は圧巻で、塩屋ならではの布団太鼓の価値を引き出していました。

「現在の祭りの参加者は30代が中心で、10年前の立ち上げ時に20代だった方々が現在30代になっており、次の世代の育成や引継ぎが必要な時期。子どもたちにスポットを当てて、小さいころから伝統芸能に興味を持ち、次の担い手になってほしいと考えている」と塩屋青年会 北川武志氏はおしゃっていました。


塩屋の急坂を進む子供巡行


■今後の活動の予定
例年10月10日~12日の3日間秋祭り布団太鼓巡行が行われていますが、来年2020年は塩屋地区が5年に一度の担き番(氏子5地区が輪番で宮神輿を担ぐ年)の年で、例年以上に盛上りのある秋祭りが期待されます。