活動レポート

2019年9月25日瀬戸内助成

Vol.01 女木ふれあい場所づくり(鬼ヶ島活性化委員会)の活動紹介

■鬼ヶ島活性化委員会について
女木島は、高松よりフェリーで20分弱の場所に浮かぶ風光明媚な島ですが、限界集落化が進んでおり、鬼ヶ島活性化委員会では将来に向けた島外との連携を目指しています。島民と来訪者が交流できる居場所づくりを行い、島の農産品等を使ったワークショップを開催し、生産者との交流を通じて女木島の魅力発信を行っています。

■「こも」編みワークショップを開催
鬼ヶ島活性化委員会主催で、6/29(土)に「こも」編みワークショップが開催されました。
10名ほどの島内外の参加者が集まり、交流をはかりました。中には、前回のワークショップよりリピーターとして高松から来られている方もいらっしゃり、島の農産品等を使ったワークショップが島のファン獲得へと結びついているようです。
女木島では古くから各家庭で麦を育て、刈り取り後、麦の軸を使い、日よけの「こも」を編んでいましたが、現在では女木島の民宿「龍宮」の大女将さんただ一人しか「こも」を編んでいません。この貴重な「こも」作りの文化を後世に伝えるべくワークショップが開かれました。

会  場 カフェ&アンティーク鬼ヶ島倶楽部(高松市女木町424)
民宿「龍宮」(香川県高松市女木町453)
講  師 中條 秀俊氏(元香川県立農業大学 教授)
松内 ユキエ氏(民宿「龍宮」大女将)
川井 美帆氏(民宿「龍宮」女将)

■女木島の「こも」の歴史、特徴について
昔、女木島では、山の斜面にあった棚田の後作として麦を作っており、その麦を使って各家庭で「こも」を編んでいました。通常は小麦粉などを作るために麦を育てますが、女木島では「こも」のために麦を育てていたそうです。“毎年1~2月は麦の発芽を良くするための「麦踏み」が女木島の子どもたちの仕事だった”と、池田センター長(高松市女木コミュニティセンター)が昔の女木島の生活について教えてくれました。
ワークショップ冒頭の中條先生の講義では、麦の栽培方法について専門的な話を聞きました。麦は水はけのよい土地を好むとのこと。女木島は砂地が多く小麦栽培に適していました。

民宿「龍宮」の軒先の「こも」はすべて大女将ユキエさんの手作り


■ワークショップの様子
民宿「龍宮」の大女将 ユキエさんの指導の下、参加者も「こも編み」を体験しました。葉を取り除いて乾かした麦の軸を4、5本並べて、編み機に重ね、糸で括るという、一見すると単純そうな作業ですが、“くせになって夢中になりますね”と参加者の方も話していました。昔は、冬や夜の時間に編んでいたそうで、1枚2間(180㎝×2=360㎝)ほどの長さですが、ユキエさんは1日で2枚半は編んでしまうそうです。
ユキエさんによると、昔はビニールシートを軒先にかけていた時もあったそうですが、「こも」のほうが隙間があるため軽く、風が通り涼しいのだそう。
代表の三島さん(鬼ヶ島活性化委員会)は、“島の文化や産品を体験できるワークショップを積み重ね、女木島のファンを増やしていきたい。何度も女木を訪れてもらい、女木の季節の変化を味わってもらいたい。”とおっしゃっていました。

ユキエさんや参加された島民の方に教わりながら「こも」を編む参加者


■今後の活動の予定
1年を通して女木島の文化・産品を使ったワークショップを開催し、女木島に島内外の方々の交流拠点として古民家を整備していく予定。