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アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ
活動の目的
稲作や畑作、果樹、牧畜といった日本の原風景である棚田を核として、地域住民と豊島に訪れる観光客、高い芸術性を有する「豊島美術館」が一体となったプログラムを開発し、活力ある地域社会の創生と食とアートの島として再生する活動を行う。
活動の内容
豊島唐櫃地区の棚田地区での活動が8年目を迎え、棚田を維持する活動から、棚田の持つさまざまな魅力を耕作者や豊島地区の住民が明確に認識した。そこで、来島者とともに棚田地域が様々な人々がふれあう空間となるようにプログラム展開する。
■住民による主体的な棚田の維持管理と住民以外の人たちによる棚田の維持管理へのサポート体制づくり
■住民と来島者の協働による創造的な地域振興
■住民と来島者、「豊島美術館」の連携によるプログラムの展開
■棚田事業で使う農機具の購入と共同運用
参加作家、参加人数
約90,000人(豊島美術館入館者数と同等)
他機関との連携
豊島唐櫃棚田保存会、特定非営利活動法人豊島観光協会、豊島自治連絡協議会、特定非営利活動法人瀬戸内こえびネットワーク、香川県、土庄町
活動の効果
行政主導から住民主体へ、何ができるか、どのようにするかという前向きな意見や行動が出てきた。岡山県上山地区の棚田再生に取り組むNPOの視察研修を実施する。また、来島者との垣根が低くなってきたこともあり、来島者と住民が気楽にふれあうことにより、地域に活力が出ている。秋に開催する「豊島棚田の収穫祭」は地域の一つのプログラム、イベントと認識されている。また、農機具を共同で運用することにより新規耕作者の負担軽減を図る。
活動の独自性
棚田の維持管理、豊島美術館とのイベントの開催、3回目の瀬戸内国際芸術祭によって豊島の住民が気付かなかった良さが情報発信されることにより移住者が増加したこと、各種イベント開催を通じて食とアートによる豊島地区の活性化、豊島全体の再生が図られつつある。
総括
棚田を耕作している農家は大半が65歳以上の高齢者である。10年後の棚田を考えるモデルとして先進地視察を行い、「棚田のイベントを売る」という考えを取り入れることにした。手始めに平成29年度の事業はすべて有料化し、お客さんの満足度を高めてリピーター化する。最終的に定住促進(半農半美が理想)を図りたいと考えている。新規耕作者対策、負担の軽減策として農機具の共同運用を行う。
また、豊島棚田の収穫祭では、地域との密着をこれまで以上に大事にする。
島外者への情報発信に課題があることが分かったので、これに対応したいと考えるが、具体策については今後の検討課題とする。
棚田の田植えの様子
先進地視察(岡山県上山地区)