アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

【自主・共催助成】大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2018(平成29年度事業)

大地の芸術祭実行委員会

実施期間
2017年4月~2018年3月

活動の目的

過疎高齢化が進む越後妻有地域内において、地域に内在する価値を、現代アートを媒介として掘り起し、その魅力を高め、世界に発信し、地域再生の道筋を築くことを目的とする。

活動の内容

芸術祭ブランドを利用した通年誘客の取り組みとして、春・夏・秋・冬と、『越後妻有里山現代美術館【キナーレ】』や『まつだい「農舞台」』を中心に四季を感じられる企画展を開催した。それぞれの期間、普段は閉館している空家・廃校作品の限定公開や、イベント・ワークショップなど、さまざまな企画を行った。越後妻有地方の特徴的な食の提供や、泊まれるアートの存在など、来訪者が里山の魅力を十分に感じてもらえる内容となっている。
実施場所:新潟県越後妻有地域(十日町市・津南町)

参加作家、参加人数

四季の企画展の入場、来場者の合計は66,849人。レアンドロ・エルリッヒ、ジョン・クルメリング、イ・ブル、ジョゼ・デ・ギマランイス、高橋匡太が新作を発表。小林武史with桐嶋ノドカが2018プレ企画でAcoustic Liveを行った。他に継続作品、イベント等参加作家多数。

他機関との連携

特定非営利活動法人越後妻有里山協働機構とは、四季の企画展、イベントの開催を連携して実施した。新潟県からは大地の芸術祭事業の実施に関して側面的な支援をいただいた。

活動の効果

四季を通じた企画展を開催することで、季節ごとに移り変わる越後妻有の魅力を発信することができた。「大地の芸術祭」の里としてのブランド化と集客の通年化を図ることで地域の持続的な活性化につながっている。大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2018の新作先行公開やプレイベントも行い、第7回展の宣伝広報も行うことができた。

活動の独自性

大地の芸術祭は、アート作品、作品展示場所の自然・風景・食・地域住民との交流など、越後妻有の里すべてを含めたものを「アート」として展開している。第1回展からのリピーターも多く、国・地域・世代ジャンルを越えた人々の交流と協働が新たな価値を見出し、過疎高齢化の進む地域に誇りを取り戻すきっかけとなっている。

総括

企画展の来場者は開催日数の減少もあり、2016年に比べ減少したものの、越後妻有雪花火は過去最大の来場者を記録するなど、「大地の芸術祭」のブランドの強さは感じられる。「大地の芸術祭」への来訪者は、地元住民との交流や里山の自然、地域の食を味わうことにより、越後妻有の魅力を知っていただけているものと感じている。
2018年には大地の芸術祭第7回展が7月29日から9月17日まで、51日間の日程で開催される。2015年の第6回展を上回る集客と経済効果、地域活性化に向け、さらなる魅力の発信とお客様を心から歓迎できる芸術祭を企画、構成していくため、今後とも大地の芸術祭事業への格別なご理解とご支援をいただきたい。

  • Photo by Osamu Nakamura
    「大地の芸術祭」の里越後妻有2017夏 水あそび博覧会

  • 清津倉庫美術館「磯辺行久の世界」展の公開記念

  • Photo by Tsutomu Yamada
    「大地の芸術祭」の里越後妻有2018冬 越後妻有雪花火Gift for Frozen Village2018